レコード再生における最大の障害の一つ──それが静電気です。
レコードは塩化ビニル製という性質上、再生中にも静電気が蓄積されてしまいます。とくに音溝とスタイラスチップの摩擦によって、再生中に数百〜数千Vもの静電気が発生してしまうのは避けられません。たとえ再生前に完璧に除電しても、静電気は音楽とともに生まれてしまうのです。
TOP WING Static Eraser “Direct” は、トーンアームのヘッドシェル部に取り付けるだけで、レコード再生中に発生する静電気を効率的に逃がすシェルリングです。独自の形状と導電素材によって、静電気を100V以下にまで低減することが可能です。
従来のように設置場所を必要とするイオナイザーや、操作が面倒な除電ブラシに頼る必要はもうありません。一般的なシェルリングの代わりにStatic Eraser “Direct“を付けるだけで、静電気対策が完了します。なお、放電性能においては、”Modern”と”Direct”に違いはありません。
Static Eraser “Direct”の開発は、シェルリングを介しながらも、まるで何も介在していないような音質を実現するという、矛盾する目標への挑戦でした。使用されている導電性ゴムは、本来であれば振動を吸収する性質を持ちます。しかしDirectでは、あえてこの素材をヘッドシェルとシェルナットの圧力で完全に潰れるように設計したのです。問題は、潰すことで振動吸収は無効化できても、素材が破損したり機能が劣化したりするリスクが高まる点にありました。そこで、硬度の調整だけでなく、素材の組成自体も再設計し、導電性・耐久性・変形特性の最適なバランスを追求しました。完全に潰れつつも壊れない、そして除電性能はそのままという繊細な設計によって、従来にない特性を持つ除電シェルリングが完成したのです。
同シリーズの“Modern”が振動吸収特性を備え、しなやかで整った音場表現を志向しているのに対し、“Direct”はあえて振動吸収効果を持たせず、録音に込められた音そのものをストレートに引き出すチューニングとしました。また、ゴムという素材の特性上、ロックナットとヘッドシェルが密着し、ガタが出ないという効果もあります。
余計な色付けのない、ダイレクトでエネルギッシュな音の立ち上がりと抜け感が魅力です。音の密度やスピード感を重視する方に最適です。また、シェルリング不要派の方にも、”Direct”は大いにお勧めします。
Static Eraserは、従来の金属布接触型のように盤面にノイズや追従性の問題をもたらすことなく、非接触で確実に放電。一般的なイオナイザーや除電ブラシのように設置位置や操作に左右されることなく、Static Eraser “Direct”は常にトーンアームと連動して静電気を逃がすため、どのようなレコードプレイヤーでも安定した効果が得られます。
放電性能を最大限発揮するためには、盤面とStatic Eraser下端の距離が重要です。接触しない範囲で近ければ近いほど効果を発揮します。カートリッジによって距離が異なるため、Static Eraserには長さが異なるものが2種類付属します。お使いのカートリッジに合わせて、盤面とStatic Eraserの下端の距離が近くなる方をお選びください。
製品名:Static Eraser “Direct”
品番:TW-SE-DCT
素材:導電性ゴム
サイズ:シェルリング形状・2種付属
Direct Short(DCT-S)12x15x0.5mm
Direct Long(DCT-L)12x17x0.5mm
重量:0.1g以下
標準的な小売価格:13,200円(税込)
発売日:2025年6月6日
JANコード:4589631464963
保証期間:12ヶ月
使用上の注意