トリプルモーターターンテーブル
マグネティックダンピングトーンアーム

TT3+Viroa 10inch
Developed by Tien Audio

TT3+Viroa

新進気鋭のTien Audioによる構造の抜本的改革

Tien Audio TT3+Viroaは台北のターンテーブル博士=ジェフ・ティエン氏が10年以上に渡って構想を練り、遂に実現させた新製品です。ハイエンドターンテーブルの修理工房を営み、顧客から絶大な信頼を得ているティエン氏が満を持して放つTT3は、氏が世界中のハイエンド・ターンテーブルを徹底的に分析・研究した成果に基づき作られています。高いものでは数千万円台に達してしまった世界のスーパーハイエンド機器に劣らぬサウンドを、あくまで現実的な価格で実現する、というコンセプトで設計されています。 スリーモーターによるベルトドライブ、マグネット方式によるフローティング、三点支持のリジッドな脚、ダブルアームやトリプルアーム化も可能なアームベース……虚飾を配し質実剛健、性能第一を極め、マニアにも納得いただける究極のアナログターンテーブルの姿……それがこのTT3なのです。

なぜトリプルモーターなのか?

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あらゆるターンテーブルは、プラッターの軸受けに多少の隙間(サイズは様々ですが)がなければなりません。プラッターの軸が回転するのにこの隙間が必要なのです。理論的には、プラッターの軸が軸受けのセンターにとどまるように、力学的にバランスを保っているはずですが、実際には、これを実現するのは困難です。多くのメーカーは、プラッターが静止している状態でバランスを保つように設計していますが、これでは回転時に軸が傾いてしまいます。モーターが一方向だけからプラッターを引っ張るからです。ベルト・ドライブ・ターンテーブルでノイズの問題が生じるのは、大半がこの理由です。また、典型的なシングル・モーター・ターンテーブルでは、プラッターが約2分の1回転するごとにベルトがプラッターの表面に接するので、ベルトの品質(可塑性、テンション、グリップ力)は時間の経過とともに劣化していきます。古くなり、緩くなり、すり減るのです。モーターで制御されるターンテーブルの回転速度は、こういった要因に直接影響を受けます。

TT3_Motor
TT3_Motor

TT3は3方向にモーターを配置することにより、ベルトの張力による軸ぶれを排除しました。また、3モーター方式では、1つのモーターに要求されるトルク量が小さいため、単一モーターよりももっと静かなモーターを採用して、3つのモーターのノイズの総計が単一モーターの場合のノイズよりも少なくなるようにしています。更に、モーターはそれぞれ独立したサスペンションシステムによって固定されており、プラッターは磁力によって完全にフロートしています。こうして、TT3のプラッターは外部からの振動、ノイズから切り離され、理想的な状態で回りはじめるのです。
台座の基盤は約12Kgの重量を持った航空機用アルミニウムで形成されており、これに250度という高温でパウダー・コーティングが施されています。最大3つのトーンアームを取り付け可能です。

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また、サーボモーターを制御するためのPWM信号(パルス幅変調信号)は、CPUを使用して発生させています。PLL回路(位相同期回路)と違って、制御信号はもっと安定しており、簡単には回転むらが発生しないようになっています。回転むら=±0.015%という数値(工業標準値は0.3%)を易々と達成しています。回転数の変更は有線接続のリモートコントローラーにて行い、33 1/3, 45, 78回転の設定が可能です。

トーンアームはどうすればカートリッジの性能を最大限に発揮させることができるのか

NorminalTurntable

Viroaトーンアームは10年前に設計をスタートしましたが、その基本アイデアはシンプルなトーンアームを出発点にしています。製品化するまでの過程でトーンアームがあるべき姿を発見したのです。それは、トーンアームの設計は、音溝にだけ目を向けるのではなく、カートリッジの性能を最大限に発揮させることに目を向けるということです。
トーンアーム設計者の大半は、トラッキング性能にばかり注力しますが、そうするとカートリッジはただの針になってしまいます。音溝に接触してトレースするスタイラスを保持しているのはカートリッジなのだということを、彼らは忘れてしまっています。カートリッジは、ただのスタイラスではないのです。
だれもがご存じのように、MC型であろうとMM型であろうと、あるいはまたMI型であろうと、カートリッジは磁場を持っています。どのタイプも、フォノアンプに送るための電気信号を発生させるために磁場を持っているのです。トーンアームに必要とされるのは、磁場を制御する、あるいは磁場を最良の状態に保つことなのです。
Viroaが採用したマグネット・ダンピング機構とアンチスケーティング機構の組み合わせは、磁力の「粘性」が生まれます。弊社のマグネット・ダンピング・システムは最高に効率が高いものです。カートリッジのアジマス調整機構とアンチスケーティング機構を組み合わせたもので、カートリッジのトラッキングを良好に保つ機能も持ち合わせています。

NorminalTurntable

マグネット・ダンピングの仕組みについて説明しましょう。実験すればわかりますが、このシステムでは、マグネットのNとSの両極に粘性を持った引っ張る力が生じます。この力が働いている時には、速度がゼロにならない限り、磁場から物体を引き離すことはできません。カートリッジが音溝をトラッキングしている時には、(速度があるので)「粘性」によってスタイラスが安定した状態に保たれるので、より高い電気エネルギーが発生し、その結果音溝からより詳細な情報を得ることができます。同時に、再生している音楽の低域にとっても、この現象が有利に働きます。

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また、Viroaに搭載されているマグネティック・アンチスケーティング機構は、上記「粘性」によりアンチスケーティング量が変動する仕組みになっています。一方、今日、市場に流通しているトーンアームの大半はアンチスケーティングの調節に固定値が適用されています。しかし、実際のレコード盤は外周より内周の方が速く回転するため、アンチスケーティングの数値は変動する必要があります。もし固定値に設定してしまうと、ある位置では適正でも違う位置ではアンチスケーティング量が過剰、もしくは足らなくなってしまうのです。変動式のViroaのマグネティック・アンチスケーティング機構は、スタイラスを安定させるのに大きな効果を示します。これによってスタイラスはより優れたトラッキング力を発揮することができ、回転するレコード盤の最外周から最内周に至るまで安定した状態で音溝を進んでいくことができます。

画期的な2つの機構の他にも、技巧を凝らしています。カウンターウェイトを低い位置に置く設計によって、ダイナミックバランス型の針圧の効果に近いものを得ています。スペシャル・ラバー・ダンピングによってバーティカル・トラッキングが向上し、不要な低域が発生しません。特別設計のタングステン・スチール・ベアリングを備えた軸がなめらかなサファイア・ベアリングのハウジングに収納されています。ベアリングの回転音がカートリッジに伝わらないようになっています。このような創意工夫により、今までのトーンアームから一歩進んだ思想である、カートリッジの性能を最大限発揮することを実現しているのです。

NorminalTurntable

諸元表

TT3:
駆動方式:3モーターベルトドライブ
モーター:DCサーボモーターx3
回転数:33 1/3, 45, 78
プラッター:アクリル製1kg
最大トーンアーム取り付け可能数:3本
サイズ:320 x 320 x 120(mm)
重量:11kg

Viroa 10inch:
ワンポイントマグネティックダンピングシステム
実行長:245mm
オフセット角:21.5度
オーバーハング長:15mm
アーム素材:カーボンファイバーチューブ
内部配線:Van Den Hul製銀リッツ線
出力端子:RCAx2+GND

TT3+Viroa 10inch 825,000円(税込)
JAN:4589631460767

オプション:要お見積もり
TT3本体色の変更(ブラック以外)
Viroaトーンアームの追加
トーンアームベースの追加